9月9日は、5節句の一つ「重陽(ちょうよう)の節句」です。
「桃の節句」はひなまつり、3月3日で女の子の成長を祈る日。
「端午の節句」は菖蒲(しょうぶ)の節句で、5月5日で男の子の成長を祈る日。
では、「重陽の節句」は何を祈る日なのでしょうか。
重陽の節句は、長寿を祈る日。病気をせず、健康で長生きできますように、と願う日です。別名「菊の節句」とも言われています。
重陽の節句には菊を鑑賞したり、「菊酒」と呼ばれる、菊の花を浸したり、浮かべた酒を飲むなどして過ごす風習が昔からあります。重陽の節句の行事食は、菊の節句だけに食用菊を使った料理。ただし、食用菊はその香りとほんのりとした苦みがあり、大人はそこがおいしく感じるところですが、幼児期の子供たちにとっては苦手な食材です。
私が、保育園の献立作成を実際に携わって気づいたことですが、顧問3園とも、家庭で与えたことのない食材は園では使用しないということです。もちろん食用菊などを食べさせているご家庭が少ないのは当然ですよね。
そこで考えたのがこの料理「菊花汁」です。
淡い色の吸い地の中で、菊花豆腐がゆらゆら揺れる、優雅で上品なお吸い物です。これならば、5が月の離乳食前期から食べさせることができます。菊の花の雰囲気だけでも子供たちに重陽の節句を感じて欲しいと思います。
菊花豆腐のお吸い物
〇材料(2人分)
絹ごし豆腐 4~5cm角を2コ、ほうれん草 適量、針生姜 少々
柚子 皮 少々(省略可)
吸い地(だし600cc、塩 小匙1/2、醤油 小匙1/2、酒 小匙1)
〇作り方
① 吸い地を作る。
② 菊花豆腐を作る
・豆腐を割り箸の間に置く。
・4~5cm角に切った豆腐をまな板にのせ、手前と向こう側に割り箸を置き、3mm幅ほどに包丁を入れていく。
・90度向きを変えて、切り込みを入れる
・水地で煮る。椀に盛り付ける
是非、食卓に菊の花を飾って、重陽の節句をお祝いしましょう。